中3のこの時期は、「本人の気持ちを待ってあげたい」という思いと、「期限がある以上、親も動かなければ」という現実の間で、とても苦しい時期だと思います。特に、実際に内申点がほとんど出せないと書かれた資料を見ると、「このままで大丈夫なのか」と焦ってしまうのも無理のないことです。
まず、息子さんの「どこでもいい」という言葉は、「投げやり」と捉えなくてよいと私は思います。
長く不登校が続いている場合、進路について考えること自体が負担になり、「自分には選べない」「考えても仕方がない」という気持ちから、どこでもいいと言っていることもあります。ただ、逆に、本当にこだわりがない場合もありますので、言葉だけで判断する必要はありません。
そして、この時期は、「本人が決めるまで親は待つ」必要はありません。
むしろ、中3で願書などの期限が迫っているのであれば、親が情報を集め、候補を絞っておくことは大切です。ただし、「ここに決めたから行きなさい」と決定するのではなく、本人が選べるところまで、親が道を整えてあげるというイメージです。
例えば、通信制高校やサポート校について親がいくつか調べ、
「お父さんお母さんが調べたら、ここは毎日通わなくてもいいみたい。こっちはゲームやパソコンを使った授業がある。こっちは週に何日か通うみたい。どれが一番嫌じゃなさそう?」
と、最初から「どこがいい?」と大きな選択を迫らない方法があります。
学校見学も、本人が行かないのであれば、まず親だけで見に行って構いません。実際の雰囲気や通学方法、学習の仕組み、費用、卒業要件などを親が確認して、本人には後から情報を渡すこともできます。
また、候補を絞る際には「偏差値」や「評判」だけでなく、息子さんが今どの程度の負荷なら続けられそうなのかを基準にしてみてください。
毎日通うことが難しいのか、人の多い場所が負担なのか、オンラインなら取り組めるのか、必要なときに個別に相談できる環境がよいのか――「高校に入れるか」だけでなく、「入った後に続けられるか」という視点が重要です。
そして、親が候補を準備することは、本人の意思を奪うことではありません。
選択肢を知らなければ、本人は選ぶことすらできないからです。
「お母さんたちがいくつか調べてみたよ。今すぐ決めなくていいけれど、浪人しないなら、期限もあるから、この中だったらどこが一番楽そうか一緒に考えてみない?」
もちろん、最終的には本人の意思を大切にしたいところです。ただ、今の息子さんに「自分で進路を決める力」が十分に戻ってくるまで待つことで、選択肢そのものが狭くなってしまう可能性もあります。
「本人が決める」ことと「親が準備する」ことは両立します。
今は、息子さんに人生の大きな決断を一人で背負わせるのではなく、親が先に情報を集め、現実的な選択肢をいくつか用意する。そして、その中から本人が「これならできそう」と思えるものを一緒に探す。
中3の進路選択では、そうした「親が少し先回りして、本人が選びやすい状態をつくる」支援も、十分に本人の意思を尊重した進め方だと思います。