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不登校ミーツ

不登校の休養期、家でどう過ごす? 子どもの状態別・3つの過ごし方と回復のサインを公認心理師が解説

公開  不登校ミーツ編集部

この記事の要点

  • 不登校の休養期の過ごし方は、子どもの状態で変わる。①眠れない・食べられないほど消耗しているなら療養、②学校以外では元気なら家でも少しやることを、③ゲームなどに熱中しすぎるなら禁止しつつ代わりの活動を(公認心理師・髙橋紀子先生)。
  • 消耗しきっているときは「インフルエンザのとき」くらいの感覚で休ませる。朝起こしてリビングで朝ごはんを、は本人のためより家族の安心のためになっていないか考えてみる。
  • 代わりの活動は、負担が軽くて「本当に感謝されること」。宅配便の受け取り、シュレッダー、魚の餌やりなど。役割があると、その日を生きる理由ができる。
  • 回復してくると、「学校に行きたい」より先に、何がしたくないか・何がしたいかが具体的になってくる。それが学校と相談するときの手がかりになる。

子どもが学校を休むようになった。

家にいる間、何をさせればいいのか。ずっと寝かせておいていいのか、それとも朝は起こして、勉強やお手伝いをさせたほうがいいのか──休み始めたばかりのころは、親御さんも手探りです。

今回は、公認心理師の髙橋紀子先生に、不登校の休養期の家での過ごし方を、お子さんの状態別に伺いました。

対談する不登校ミーツのかほと公認心理師の髙橋紀子先生
左:かほ(不登校ミーツ)/右:髙橋紀子先生

不登校で学校を休み始めたら、家ではどう過ごせばいい?

髙橋先生の答えは、「お子さんの状態によって、過ごし方を変える」というものでした。大きく分けて、3つのパターンがあります。

かほ
かほ:

実際に学校を休むようになったとき、家での過ごし方で、親御さんが意識したほうがいいことは何でしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

もし睡眠が取れていないとか、精神的なダメージがすごく大きいときは、どちらかというと家の中で療養する、体を休ませるという過ごし方が大事だと思います。

学校でのストレスが高くて、学校以外ではストレスがない、という状況のときは、家の中である程度することがあったほうが、生活のリズム自体が崩れにくくていいかもしれません。

それから、ゲーム依存だったり、特定のことに熱中しすぎてしまったりするときには、それとセットで、本人が好きなことや「ありがとう」と言われるようなことを重ねていく、という感じがします。

お子さんの状態過ごし方の方向具体的には
① 眠れない・食べられないなど、心と体が消耗しきっている療養する「インフルエンザのとき」くらいの感覚で休む。朝の時間や3食にこだわらない
② 学校のストレスは高いが、学校以外では元気家でもある程度やることを持つ午前・午後にゆるやかなタスクを。学校以外の場所を調べてみる
③ ゲームなど、特定のことに熱中しすぎている禁止しつつ、代わりの活動をセットで負担が軽く、本当に感謝されるお手伝いなど
話す髙橋紀子先生
お子さんの状態によって、過ごし方は変わる

心と体が消耗しきっているときは、どう休ませればいい?

眠れない、食べられないなど、体の維持そのものにダメージが出ているときは、体の病気になったときと同じイメージで休ませる、と髙橋先生は話します。

かほ
かほ:

消耗しているときは、まず休養を、というお話でした。具体的には、どんな過ごし方がいいのでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

たとえば眠れないとか、ご飯が全然食べられないとか、体の維持というところにダメージを受けているときは、たとえばの例で、インフルエンザになったときぐらいの感覚で休みをとる。

そういうときに「朝何時に起きなさい」と言われるときついので、まずはお布団で寝ていてもいいし、食べ物も1日3食じゃなくてもいいかもしれない。体の病気になったときのイメージでスタートするのがいいと思います。

かほ
かほ:

この時期は、宿題をちゃんとやるとか、規則正しく過ごすとか、運動をするとか、そういったことはまだ求めないほうがいいんですね。

髙橋先生
髙橋先生:

一番多いのは、「朝いったん起こしたい」という親御さんです。いったん起こして、リビングで朝ごはんを食べさせたい、と思う方が多いんですね。

でも、本当に眠れていないような状態のときにそれをさせるのは、本人のためではなくて、家族が安心するためのサービスになってしまうので、そこはグッとこらえて、本人の体のエネルギーを貯めることを優先していただけたらと思います。

理想論に聞こえるかもしれない、と思いながらの話です。少しでも「私を安心させてよ」というのは、正直な気持ちだと思うので。それを大前提にしながら、ですね。

かほ
かほ:

今感じている不安が、子どもの不安なのか、自分の不安なのか。そこを考えてみることが大事なんですね。

学校以外では元気な子は、家で何をすればいい?

家では元気、でも学校のことになると元気がなくなる。そんなお子さんには、家でもゆるやかなリズムを作ることを勧めています。

かほ
かほ:

家では元気だけれど、学校のこととなると元気がなくなってしまう場合は、具体的にどんな工夫をしたらよさそうでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

お子さんの学年にもよりますが、たとえば低学年の場合は、午前中にこれをする、午後にこれをする、という緩やかなタスクを用意するのがいいと思います。宿題でもお手伝いでも、何でもいいんです。

それから、子どもたちは学校でうまくいかなかったときに、「自分は社会でうまくやっていけないんじゃないか」と、学校イコール社会だと思いがちなんですね。

そうじゃないんだよ、と気づいてもらうために、学校じゃない別の場所に行ってみる、そういう場所を調べてみる、ということを取り入れることもありました。

ゲームなどに熱中しすぎるときは、どう過ごさせる?

3つ目は、ゲームなど特定のことに熱中しすぎてしまうケースです。髙橋先生は「禁止するだけでなく、代わりの活動を具体的に提案する」ことを勧めています。

髙橋先生
髙橋先生:

ゲーム依存は、大人の場合でいうとアルコールなども想像しやすいかもしれませんが、禁断症状が出たり、何か活動をと言っても「ゲーム、ゲーム」とそれしか頭に浮かばなくなったりすることがあります。

なので、禁止はしつつ、気がまぎれるほかのことや、家族に喜ばれることを具体的に提案すると、過ごしやすくなるというイメージです。

かほ
かほ:

気がまぎれるほかのこと、というのは、たとえばどんなことでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

その子にとってそんなに負担じゃないけれど、うそじゃなくて、本当に感謝されるものがいいんです。

私がお会いしてきた中でやっていたのは、たとえば、あえて宅配便の受け取りをその子がいる時間にして、受け取ってもらうとか、シュレッダーをかけるとか。

お風呂掃除だと結構体力を使って過酷だったりするので、あまりきつくないもの。大人も「これやりたいな」と思っているけれど手が回らないようなもので、本人ができるものですね。

なぜ「感謝されること」がいいの?

かほ
かほ:

「感謝されること」がキーワードになっていそうですね。感謝されることは、どうしていいのでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

人って、自分に役割があって、それで誰かが助かっていると思うと、心が落ち着くんですね。

学校に行けなくなると、「自分はダメな人間なんだ」と思いやすかったり、自暴自棄になって「もうどうにでもなれ」と思ってしまったりします。

でも、自分がいることで何かのお世話ができている、となると、そこに、その日を生きる理由ができるんです。

かなり回復している人なら犬の散歩もできますが、そこまでは難易度が高い場合は、魚の餌やりとか、無理のないものがいいと思います。

感謝されるお手伝いの例(髙橋先生の話から)ポイント
宅配便の受け取り(あえて子どもがいる時間に届くようにする)家にいるからこそ頼める
シュレッダーかけ体力を使わない。大人が後回しにしがちなこと
魚の餌やり難易度が低く、毎日の役割になる
犬の散歩かなり回復してきた段階で
(避けたいもの)お風呂掃除など体力を使う、きついものは向かない
話す公認心理師の髙橋紀子先生
「感謝されること」がキーワード

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ゴールド

髙橋 紀子先生

公認心理師・臨床心理士

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休んでいるうちに、子どもはどう回復していく? 回復のサインは?

それぞれの過ごし方を続けていくと、どうなっていくのか。髙橋先生によると、「学校に行きたい」という気持ちが丸ごと戻ってくるというより、何がしたいか・したくないかが具体的になってくるそうです。

かほ
かほ:

こうした過ごし方を意識していると、だんだん学校に行きたい気持ちが戻ってくるのでしょうか。その後はどんなふうに展開していくのですか?

髙橋先生
髙橋先生:

元気になってくると、学校に行くか行かないかというより、何をしたいかがわかってくる、何をしたくないかがわかってくるというイメージです。

「学校」という全体に行きたくなる子には、私はあまり会ったことがないんです。

勉強に追いつけていないのが心配だとか、将来なりたい職業になれなくなっちゃうんじゃないかとか、友達とずっと会っていないと友達じゃなくなっちゃうかも、とか。心の元気が溜まってくると、友人関係やお勉強など、学校の中で得ていたもっと細かいものの中で、何かがしたいという気持ちが出てくることが多かったと思います。

髙橋先生
髙橋先生:

赤ちゃんもそうですけど、嫌なことが先にわかって、その後やりたいことがわかるというのは、自然な人間の心の変化なんです。

ずっと「学校」という大きな主語で話していた子が、「音楽の時間に、みんなの前で歌を歌うのが嫌なんだ」とか、具体的に嫌なことがわかってくる、ということもあります。

かほ
かほ:

そこまで来たら、少しずつ、学校なりフリースクールなり、社会参加の手がかりを見つけてつなげていく、という回復の仕方になっていくんですね。

髙橋先生
髙橋先生:

そこまで具体的になれば、学校の先生とコミュニケーションをとって、配慮してもらえるところや、場合によっては合理的配慮を求めていいところかどうかも話し合えて、本人にとって安心できる環境を作りやすくなると思います。

不登校の子の親御さんへ、髙橋先生からのメッセージ

最後に、不登校のお子さんと向き合う親御さんへ、髙橋先生のメッセージです。

髙橋先生
髙橋先生:

困ったことがあったときに、学校に行かないという対処行動を取れたのは、その子の力だと思います。大きくはお祝いできないとしても、「自分の意思を行動にできる子なんだな」と、私としては喜んでほしい、というのが勝手な思いとしてあります。

一緒に生活する中で、この子は何が苦しくて、何にエネルギーを使うのかを知ることができる。そういうときに親がどう守るか、どう助けるかを体験できれば、将来、子どもが大人になったときに、困ったときのやり方を学べる一つのきっかけになると思います。

笑顔で話す髙橋紀子先生
「その子の力だと思います」

休養期は、親から見ると「何もしていない時間」に見えるかもしれません。でもその間に、お子さんは心と体のエネルギーを貯め直しています。まずは今のお子さんがどの状態にいるのかを見て、その状態に合った過ごし方から始めてみてください。

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「小3男子、回復途中、変化なく見える」

シルバー

尾山さやか先生 の回答

はじめまして。 まず、書かれている様子を拝見して、私は「何も進んでいない」とは全く思いませんでした。 むしろ、かなり大き…

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