娘さんの「やめたくない」と泣く姿と、「頭が働かない」「文字が入ってこない」という言葉。
この二つを読んで、私は「受験をやめたいわけではないのに、今は受験勉強をする力が出ない」という状態なのではないかと思いました。
だから、今すぐ親が「もう受験はやめよう」と決めなくてもいいのではないでしょうか。
もちろん、残り3か月という時間を考えれば、親として焦るのは当然です。
塾の先生から「今が踏ん張りどころ」と言われれば、なおさら「ここで頑張らせなければ」と思ってしまいますよね。
でも、本人が「やりたい」と思っていることと、「今それを実行できる状態にあること」は別です。
やりたい気持ちはある。
でも、頭が働かない。
テキストを開いても文字が入ってこない。
それなら、まず考えたいのは「どうやって勉強させるか」ではなく、「なぜ今、勉強できない状態になっているのか」なのだと思います。
そして、私は「受験を続ける=今までと同じ量の勉強をする」ではないと思います。
例えば、
「今の状態でできる勉強量まで減らす」
「一日10分だけやってみる」
「過去問を解くのではなく、問題を見るだけにする」
「塾ではなく家でできることだけにする」
など、受験勉強そのものを一度小さくしてみる。
また、志望校に相談できるのであれば、「現在このような状態なのですが、受験までに何をどこまでできればいいでしょうか」と聞いてみてもいいと思います。
学校によっては、入試相談や個別相談で、現在の状況を踏まえて話を聞いてもらえることもあります。
そして、ここは大事なのですが、受験を「続けるか、やめるか」の二択にしなくてもいいと思います。
「第一志望を目指す気持ちは残しておく」
「ただし、今までのような勉強はしない」
「同時に別の進学先も考えておく」
「受験直前まで状態を見ながら判断する」
という方法もあります。
娘さんにとって、「受験をやめる」という言葉は、単に一つの学校を諦めることではなく、
「4年生から頑張ってきたことを全部諦める」
「今までの自分を否定する」
ように感じられているのかもしれません。
だから、「もうやめよう」と言われると泣いてしまうのではないでしょうか。
だとしたら、
「受験をやめるかどうかを今決めなくてもいいよ」
「行きたい学校に行きたい気持ちは大事にしよう」
「ただ、今のやり方が苦しいなら、やり方は変えていい」
と伝えてみてもいいと思います。
親の役割は、必ずしも「受験を続けるか、やめるかを決めること」ではないと思います。
親ができるのは、残された時間の中で現実的に選べる道を整理して、その情報を本人に渡してあげること。
そのうえで、娘さんと一緒に「今の自分なら、どこまでやってみられそうか」を考えることなのではないでしょうか。
そして、「あと3か月しかない」と思うと焦りますが、3か月で合格するために必要なことだけを考えなくてもいいと思います。
もし第一志望に届かなかったとしても、受験した経験そのものがなくなるわけではありません。
反対に、今ここで無理を重ねて、心身の状態がさらに崩れてしまうことも避けたいところです。
それから、「頭が働かない」「文字が入ってこない」という状態が2か月続いていることについては、受験の問題だけとして扱わず、必要であれば小児科や児童精神科、心療内科、学校の相談窓口などに相談してみてもいいと思います。
本人の「頑張りが足りない」のではなく、心や身体が疲れていて、今は情報を受け取ること自体が難しくなっている可能性もあるからです。
受験をやめるかどうかを決める前に、まず娘さんの状態を知る。
そして、「受験を続ける」という選択肢を残しながら、今までとは違うやり方を探す。
私は、その順番でもいいのではないかと思います。
4年生から「この学校に行きたい」と思って頑張ってきた娘さん。
その気持ちまで、親が先回りして終わらせなくてもいいと思います。
でも同時に、その夢を守るために、娘さんを限界まで頑張らせる必要もありません。
「行きたい」という気持ちは大切にする。
「今はできない」という状態も大切にする。
その両方を認めながら、残りの時間でできることを一緒に探していけばいいのだと思います。