まず、「日中ひとりで過ごす時間が長いことは、どの程度のリスクなのか」ということですが、私は「12時間ひとりだから危険」と一律には言えないと思います。
娘さんが自分で食事をとり、連絡もつき、安心して家で過ごせているのであれば、日中ひとりでいること自体が直ちに問題になるわけではありません。
ただ、不登校の状態が長く続いている中で、人との接点がほとんどなくなっているのであれば、「ひとりでいられること」と「孤立していること」は分けて考えたほうがいいと思います。
娘さんは、日中ひとりで過ごしていることをどう感じているのでしょうか。
本人が「一人のほうが楽」「今は誰とも会いたくない」と感じているのか。
それとも、本当は誰かと話したいけれど、行く場所がないのか。
「朝出るときに部屋のドアが閉まっていて、帰ってきても同じ状態のままだと、この12時間、この子は何をしていたんだろうと思います」
でも、私はその12時間をすべて埋めなければいけないとは思いません。
大切なのは、「娘さんが一人で過ごす時間をなくすこと」ではなく、「一人で過ごしていても、誰ともつながっていない状態にはしないこと」なのではないでしょうか。
毎日20分しか話せないことを、「20分しか」と考えなくてもいいと思います。
「お父さんはあなたのことをちゃんと気にしているよ」
「あなたの話を聞きたいと思っているよ」
「学校に行っていなくても、あなたとの関係は何も変わらないよ」
というものが含まれていれば、それは十分意味のある時間です。
むしろ、帰宅してから毎日「今日は勉強した?」「学校はどうするの?」「このままでいいの?」と進路や不登校の話ばかりになってしまうほうが、娘さんにとってはしんどいかもしれません。
学校に行っていない娘さんと「父親と娘」という関係を保つこと。
そして、「母親がいれば違ったのか」と考えてしまう気持ちについて。
娘さんに必要なのは、「母親の代わり」ではありません。
お父様が、お父様として娘さんのそばにいることです。
仕事を減らせないことも、実家を頼れないことも、お父様の努力不足ではありません。
できないことを数えて自分を責めるより、「今できること」を少しずつ増やしていけばいいと思います。
そして、もし娘さん自身が「昼間は暇」「誰かと過ごしたい」「家に一人でいるのがつらい」と感じているのであれば、居場所を探してあげてほしいと思います。
自治体によっては、子どもの学習・生活支援事業として、学習だけでなく、仲間と活動できる居場所づくりや生活面の支援、進学相談などを行っている場合があります。
また、文部科学省も各都道府県等の不登校相談窓口を案内しています。
「不登校の相談」ではなく、
「中学生の娘が日中ひとりで過ごしています。フリースクールは費用的に難しいので、無料または低額で利用できる日中の居場所や支援がありませんか」
と具体的に聞いてみると、別の支援につながる可能性があります。
そして、日中ひとりでいること以上に私が大切だと思うのは、「何かあったときに連絡できる相手がいるか」です。
お父さんに連絡できる。
学校の先生に連絡できる。
相談できる大人がいる。
そういう「つながり」が何本かあるだけでも違います。
今は学校に行っていないからといって、娘さんの一日を全部埋めなくてもいい。
ただ、その中に「誰にも気にかけてもらえていない時間」が増えすぎないようにする。
それが、ご相談者様のご家庭ではとても大切なのではないでしょうか。
その生活の中で、食事を用意して、連絡を取り、娘さんのことを心配している。
私は、お父様はもう十分に娘さんを気にかけていると思います。
だから「もっと何かしなければ」と自分を追い込むより、