「年頃の女の子なら誰でも見た目を気にする」と考えていいのか、という問いですが、私は少し違うところまで来ている可能性があると思います。
外見を気にすること自体は、思春期には珍しいことではありません。
でも今回のお話では、半年間学校に行けなくなり、昼間は外に出られず、外出するときには帽子やマスクで顔を隠すようになり、さらに食事も減っている。
「顔が嫌」「太っているのが嫌」という気持ちそのものよりも、その気持ちによって娘さんの生活がここまで狭くなっていることを、私は大切なサインとして受け止めたいと思います。
特に、食事量が減っていて体重を気にしているというところは、できれば早めに医療機関にも相談してほしいです。
思春期は摂食障害の発症が多い時期で、体重や体型への強いこだわり、食事制限などがみられることがあります。もちろん、この相談だけで摂食障害だと判断することはできませんが、「もう少し様子を見よう」だけではなく、一度専門家に相談していい状態だと思います。
お母さんが「そんなことないよ。普通だよ。かわいいよ」と言いたくなるのは、とても自然なことだと思います。
でも、娘さんが「お母さんはそう言うに決まってる」と返すのであれば、今は「本当にかわいいかどうか」を説得するよりも、娘さんが感じている苦しさそのものを受け止めてあげるほうがいいのかもしれません。
例えば、
「そう思うくらい、今は自分の顔のことがすごく気になってるんだね」
「学校に行くのも、外に出るのも嫌になるくらい苦しいんだね」
「お母さんには普通に見えても、あなたが苦しいって感じていることは分かったよ」
そんな言葉かなと思います。
これは、
「あなたが今、それくらい苦しいと感じている」という気持ちを否定しない、ということです。
そして、できれば「何キロになったらいいの?」「もう少し食べなさい」「痩せすぎだよ」など、体重そのものをめぐるやり取りだけにならないようにも気をつけたいところです。
食べられている量や体調についてはしっかり見ておきながら、本人を責めるのではなく、「身体を守るために一緒に考える」という方向で関わっていけるといいと思います。
また、学校に戻すことを急ぐよりも、今はまず娘さんが安心して過ごせること、そして食事や睡眠など身体の状態を守ることを優先していいと思います。
ただ、「学校に行けないほど」「昼間に外へ出られないほど」「食事が減るほど」苦しくなっている。
そこには、娘さん自身もまだ言葉にできていない苦しさがあるのかもしれません。
親だけで「思春期だから仕方ないのか」「病気なのか」と判断しなくて大丈夫です。
まずは、「あなたが今感じていることを、ちゃんと一緒に考えたい」と伝えて、医療機関や心理職などにつないでみてほしいと思います。
そして、お母さんが娘さんを「かわいい」と思っている気持ちも、決して間違いではありません。
ただ今は、その気持ちを娘さんに分からせることより、
「お母さんにはどう見えるかとは別に、あなたが今つらいということは分かったよ」
それだけでも、娘さんにとっては大きな安心になるのではないでしょうか。