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不登校ミーツ

学校に行きたくない理由がわからないときは? 子どもへの理由の聞き方と「原因探し」の考え方を公認心理師が解説

公開  不登校ミーツ編集部

この記事の要点

  • 「どうして行けないの?」と聞くこと自体はタブーではない。ただし理由がないことも多いので、答えられなくても「本人にもわからないことがある」とセットで受け止める(公認心理師・髙橋紀子先生)。
  • 子どもは、心の中で起きていることを言葉で説明するのが大人以上に難しい。出来事を聞いて出てこないときは、体調や苦手なこと、「すごく頑張ってエネルギーを使うことは何?」と聞いてみる。
  • いじめや勉強のつまずきなど、はっきりした原因がわかったときは、大人が積極的に環境を整える。
  • はっきりした原因がないときは、原因探しより、安心・安全に過ごして心のエネルギーを貯めることを優先する。理由は、回復してから「あのときはこうだった」と言えることが多い。

「どうして学校に行けないの?」

そう聞いても、子どもは黙ってしまう。「わからない」としか言わない。何があったのか知りたいのに、聞けば聞くほど、子どもの表情が曇っていく──。

理由を聞くのはよくないことなのでしょうか。理由がわからないまま、どう向き合えばいいのでしょうか。

今回は、公認心理師の髙橋紀子先生に、学校に行きたくない理由がわからないときの、子どもへの聞き方と「原因探し」の考え方を伺いました。

対談する不登校ミーツのかほと公認心理師の髙橋紀子先生
左:かほ(不登校ミーツ)/右:髙橋紀子先生

子どもに「どうして学校に行けないの?」と聞いてもいい?

髙橋先生の答えは、「聞くこと自体はタブーではない。ただ、答えが出なくても『本人にもわからないことがある』とセットで思っておいてほしい」というものでした。

かほ
かほ:

子どもが学校を休みたいと言ったとき、親としては何があったんだろうと、すごく気になると思います。本人に「どうして行けないの?」「何が嫌なの?」と聞くのは大丈夫なのでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

それ自体が、すごくタブーということではないです。

ただ、理由がないこともかなり多いので、もし「どうして行けないの?」と聞いて答えられなかったとしても、それは本人にもわからないときもあるから、とセットで思っていただけるといいなと思います。

「学校に行きたくない」と言われた最初の場面について、髙橋先生は「行くか行かないかより、『どういうところが行きたくないと感じるの?』と、気持ちに関心を持ってほしい」とも話しています。理由を問いただすのではなく、気持ちに関心を向ける、という姿勢です。

子ども本人も、学校に行けない理由がわからないのはなぜ?

本人にも理由がわからない、というとき、子どもの中では何が起きているのでしょうか。

かほ
かほ:

本人自身も学校に行けない理由がわからない、というケースでは、お子さんの中でどういうことが起きているのでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

まず、子ども、未成年の方の場合は、自分の心の中で起こっていることを言葉で説明するのが、大人以上に難しい、ということがあります。

ですから、そもそも感覚としてない場合もあるし、感覚としてはあるけれど、それが言葉にできない場合もあるし、さまざまだと思います。

話す髙橋紀子先生
「言葉にするのは、大人以上に難しいんです」と髙橋先生

理由を聞くなら、どんなふうに聞けばいい?

出来事を聞いても答えが出てこないときは、聞き方を変えてみるのがいいそうです。

髙橋先生
髙橋先生:

どちらかというと、出来事を聞くより、もしそれで出てこないときは、体調とか、苦手なこととか、「すごく頑張ってエネルギーを使うことは何?」という聞き方をすると、よかったりもします。

かほ
かほ:

「学校の何が嫌なの?」とざっくり聞くより、こちらで少し当たりをつけながら、具体的に聞いていくのが大事なんですね。

髙橋先生
髙橋先生:

そうですね。

聞き方例
答えが出にくい聞き方「どうして行けないの?」「学校の何が嫌なの?」(ざっくり、出来事を聞く)
髙橋先生が挙げた聞き方体調のこと/苦手なこと/「すごく頑張ってエネルギーを使うことは何?」
最初に向けたい関心「どういうところが行きたくないと感じるの?」(気持ちのほうに関心を向ける)

不登校の原因は、突き止めたほうがいい?

理由がはっきりしないとき、親は原因を一生懸命突き止めるべきなのか。髙橋先生は、はっきりした原因があるときと、ないときで分けて考えていました。

かほ
かほ:

原因がわからない、ざっくりとしかわからないという場合、親として原因は一生懸命突き止めたほうがいいのでしょうか。それとも、あまり原因探しはしすぎないほうがいいのでしょうか。

髙橋先生
髙橋先生:

たとえばいじめとか、勉強についていけないとか、はっきりした原因があったとき。本人は言っていなくても、周りの子から教えてもらったりしたときには、まずその困難について、大人が積極的に良い環境を作っていったほうがいいと思います。

ただ、私が多く出会う方は、比較的、回復してからのほうが「あのときこうだったんだ」と言えるんです。

かほ
かほ:

私もそんな気がします。

髙橋先生
髙橋先生:

行けるようになったときに「あのときはこうだった」と言えたりするので、本当にきついときに、ずっと原因探しをしても、そこに答えはないことがある。

それよりは、今日一日、安心して過ごせる、安全に過ごせる。それがどんな方法かは人それぞれですけど、心のエネルギーを貯めるようなことを、具体的な原因がないときは、まず優先したほうが、結果的に原因がわかるだろうという気がします。

状況髙橋先生の考え方
はっきりした原因がある(いじめ、勉強についていけない など)本人が言っていなくても、大人が積極的に環境を整える
はっきりした原因がない・わからない原因探しより、安心・安全に過ごして心のエネルギーを貯めることを優先。理由は回復してからわかることが多い
話す公認心理師の髙橋紀子先生
「そこに答えはないことがある」と髙橋先生

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ゴールド

髙橋 紀子先生

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理由が見えてくるのは、どんなとき?

では、理由はいつ、どんなふうに見えてくるのでしょうか。髙橋先生は、心の元気が戻ってきたときの変化をこう話します。

髙橋先生
髙橋先生:

元気になってくると、学校に行くか行かないかというより、何をしたいか、何をしたくないかがわかってくるんです。

嫌なことが先にわかって、その後にやりたいことがわかる、というのは、赤ちゃんもそうですけど、自然な人間の心の変化なんですね。

ずっと「学校」という大きな主語で話していた子が、「音楽の時間に、みんなの前で歌を歌うのが嫌なんだ」とか、具体的に嫌なことがわかってくる、ということもあります。

髙橋先生
髙橋先生:

そこまで具体的になれば、学校の先生とコミュニケーションをとって、配慮してもらえるところ、場合によっては合理的配慮を求めていいところかどうかも話し合えて、本人にとって安心できる環境を作りやすくなると思います。

最初は「わからない」としか言えなかった子も、エネルギーが戻ってくると、「学校」という大きなくくりではなく、具体的な場面を言葉にできるようになっていく。理由を「聞き出す」より、言葉にできるようになるのを「待つ」ほうが、近道になることもあるようです。

休んでいる間の過ごし方は、不登校の休養期、家でどう過ごす?で伺っています。

不登校の子の親御さんへ、髙橋先生からのメッセージ

最後に、お子さんの不登校の理由がわからず悩んでいる親御さんへ、髙橋先生のメッセージです。

髙橋先生
髙橋先生:

生きていく中で、うまくいかないことやつまずくことは、あるのが当たり前で、自然なことです。それを、子どものうちは親が共有して、サポートしたり、どうやったらうまくいくかを直接手伝ったりすることができます。

子どもが大人になったら、もう親は手を出せないこともあるし、子どもが何を嫌なのかもわからなくなってきます。

そういう意味では、一緒に生活する中で、この子は何が苦しくて、何にエネルギーを使うのかを知ることができた。それは、人生の中ですごく大事な情報を共有できたということだと思います。

笑顔で話す髙橋紀子先生
「大事な情報を共有できた」

理由がわからないと、親は不安になります。でも、本人もまだ言葉にできていないだけかもしれません。理由を急いで突き止めるより、まずは安心して過ごせる毎日を。その先で、お子さん自身の言葉で「あのときはこうだった」と聞けることも多いそうです。

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Q

「部活を辞めた途端に高1の息子が学校に行かなくなりました。原因が分からず戸惑っています」

ゴールド

山岸佳織先生 の回答

ご相談ありがとうございます。 10年間続けてきたサッカーを辞め、その2週間後に学校にも行けなくなったのですね。「部活を辞…

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