
子どもが不登校になったら親はどうすればいい? 初期対応で大切なことを公認心理師が解説
公開 不登校ミーツ編集部
この記事の要点
- 「学校に行きたくない」と言えたのは、言える親子関係があったから。まずは行くか行かないかより、気持ちに関心を向ける。休ませるかどうかは「安全に、安心して一日を過ごせるか」で判断する(公認心理師・髙橋紀子先生)。
- はっきりした原因がないときは、原因探しより、心のエネルギーを貯めることを優先する。家での過ごし方は、消耗しているか・学校以外では元気か・ゲームなどに熱中しすぎているかで変える。
- 勉強の遅れが心配なときは、全体の遅れより、もともとの学習到達度と、科目ごとの得意・不得意や関心を把握することから。再開は好きな・得意な科目の易しいところを少しだけ。
- カウンセリングはどのタイミングでもいい。眠れない・食べられない・吐き気、自傷や他害があるときは医療機関へ。子どもが「病院に行きたい」と言ったら、まず連れて行くことが大事。
- 不登校は失敗でも、つまずきでもない。学校に行かないという対処行動を取れたのは、その子の力。
「学校に行きたくない」
ある朝、子どもがそう言った。あるいは、腹痛や頭痛で休む日が増えてきた。
このまま休ませていいのか。理由を聞いたほうがいいのか。勉強は、学校への連絡は、病院は──子どもが不登校になったばかりのころは、わからないことだらけです。
今回は、公認心理師の髙橋紀子先生に、子どもが不登校になったときの、親の初期対応を伺いました。

子どもが不登校になったら、親が最初にすることは?
髙橋先生の話から見えてくる最初の一歩は、「行かせるか休ませるかを急いで決める前に、『行きたくない』という気持ちを受け止めること」です。
子どもから「学校に行きたくない」と言われたとき、無理にでも行かせたほうがいいのか、休ませたほうがいいのか、親御さんはすごく悩むと思います。
「学校に行きたくない」と言ってくれたとしたら、まずは言ってくれたことへの感謝というか、それが言える親子関係だったんだな、というところから始まると思います。
多くのお子さんは「行きたくない」となかなか言えなくて、「お腹が痛い」など、違う言い方をすることが多いんです。ですから、「どういうところが行きたくないと感じるの?」と、気持ちに関心を持っていただけるといいなと思います。
休ませるかどうかの判断の目安について、髙橋先生は「安全に、安心して一日を過ごせるかどうか」を挙げています。正しい判断を当てようとするより、「最悪のことが起こらないように」と考える。そして休ませた日は、「休めたかどうか」を確かめる。
髙橋先生の話をもとに、不登校の初期に親ができることをまとめると、次のようになります。
| 場面 | 髙橋先生の話のポイント | 詳しく |
|---|---|---|
| 「行きたくない」と言われた | 言えたことを受け止め、行くか行かないかより気持ちに関心を | 「学校に行きたくない」と言われたら休ませる? |
| 休ませるか迷う | 安全に、安心して過ごせるかで判断。休んだ日は「休めたか」を確認 | 同上 |
| 理由がわからない | 聞くのはタブーではない。答えられなくても「本人もわからないことがある」 | 学校に行きたくない理由がわからないときは? |
| 家での過ごし方 | 消耗しているなら療養。状態によって過ごし方を変える | 不登校の休養期、家でどう過ごす? |
| 昼夜逆転 | 理由を知って、一緒に決める。環境から朝を伝える | 不登校の昼夜逆転は放っておく? |
| 甘やかしでは、と不安 | 立ち向かう力は、いろんな対処のレパートリーの上に成り立つ | 不登校は甘やかし? |
| 学校との連絡 | 連絡は取り合うが、頻度・方法は親の負担にならない程度に | 不登校の初期、学校との連絡はどうする? |

休ませている間、家ではどう過ごせばいい?
休ませると決めたら、次は家での過ごし方です。髙橋先生は、原因がはっきりしないときは、原因探しよりも、心のエネルギーを貯めることを優先してほしいと話します。
本当にきついときに、ずっと原因探しをしても、そこに答えはないことがあります。
それよりは、今日一日、安心して過ごせる、安全に過ごせる。それがどんな方法かは人それぞれですけど、心のエネルギーを貯めるようなことを、具体的な原因がないときは、まず優先したほうがいいと思います。
家での過ごし方は、お子さんの状態によって変えるのがポイントです。
- 眠れない・食べられないほど消耗しているとき:インフルエンザのときくらいの感覚で、まずは療養。朝起こしてリビングで朝ごはんを……は、本人のためか家族の安心のためかを考えてみる。
- 学校以外では元気なとき:午前・午後にゆるやかなタスクを用意して、生活のリズムを保つ。
- ゲームなどに熱中しすぎるとき:禁止しつつ、負担が軽くて本当に感謝されるお手伝いなど、代わりの活動をセットで。
それぞれの具体的な過ごし方は、不登校の休養期、家でどう過ごす?で詳しく伺っています。
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•••こんな相談に回答しています
「小学1年生が入学早々に行き渋り。毎朝泣く息子を無理にでも連れて行くべきですか」
空閑由先生 の回答
ご質問ありがとうございます。 ゲームを取り上げるべきか、そのままにしておくべきか、迷われるお気持ち、とてもよく分かります…
不登校中の勉強の遅れが心配なときは、どうすればいい?
親御さんが感じる大きな心配のひとつが、勉強の遅れです。髙橋先生は「全体が遅れる、と考えるより、まずはもともとの学習到達度を把握するところから」と話します。
学校を休んでいる間、療養中は勉強を全然しないことも多いと思います。その間の学習の遅れが不安になる方も多いのですが、勉強については、どんなスタンスでいればいいでしょうか。
その場合は、お子さんのもともとの学習到達度がどのくらいかを把握するところから始めたほうがいいと思います。
特に低学年の場合は成績がわからないので、宿題の負担などについて、学校の先生の情報も伺いながら、どんな感じかを聞いていくのが大事だと思います。
学校は、国数英理社と、同じ科目を同じだけ進めていかないといけない場所ですが、実際には得意と不得意があるんですね。
この科目はすごくやりたいから伸ばしたい、場合によっては学年に関係なく伸ばしたい。逆に、これは難しすぎるから、今の学年ではなく自分のペースで積み上げていきたい。そういうこともあるので、「勉強全体が遅れそう」と考えるより、もともとの学習到達度と、科目ごとの関心や得意・不得意の違いをもとに考えていくのがいいんじゃないかと思います。
把握したうえで、「じゃあやってみようか」となったときは、どんなふうにサポートすればいいでしょうか。
すごく一般的な言い方なので、もちろん例外はあるというのを大前提にしての話ですが、
まずは、その子にとって一番好きな科目や得意な科目を、易しいところでちょっとだけやる。そこで「意外とできる」と感じるところから始めるのが、一番安全かなと思います。
学年の進み具合に追いつかなきゃ、と頑張らせるのではなく、本人のスタート地点の中で、興味があるところを少し。それが大事なんですね。

学校とは、どう関わればいい?
不登校になった直後は、担任の先生からの電話や家庭訪問など、学校とのやりとりも増えます。髙橋先生は「連絡は取り合ったほうがいい。ただし頻度や方法は、保護者の負担にならない程度に」と話します。
学校からの関わりがあって初めて、「これは嫌だな」「もっとこうしてほしいな」というのがわかってくると思うので、その感覚を大切にしていくといいと思います。
子どもに伝えるときは、奇襲攻撃はしない。たとえば先生が急に来るとなると、家にいることも心配になってしまうので、事前に伝えておいて、あまりに強い拒否があったらそれはしない。0か100かにしないほうがいいんです。
電話がつらいときの具体的な工夫(留守番電話、連絡の日時を決める)や、子どもに学校からの連絡をどこまで伝えるかは、不登校の初期、学校との連絡はどうする?で詳しく伺っています。
この記事でお話を伺った先生に、
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髙橋 紀子先生
公認心理師・臨床心理士
学校に行けない日々を、一緒に考えます
病院やカウンセリングに相談したほうがいいのは、どんなとき?
家庭だけで対応するのは大変です。専門家に相談するタイミングについて、髙橋先生はカウンセリングと病院を分けて答えてくれました。
家庭だけで対応しきるのは大変だと感じた方もいると思います。病院やカウンセリングなど、専門家に相談したほうがいいタイミングはありますか?
カウンセリングに関しては、今はスクールカウンセラーもいますし、オンラインのサービスもあるので、タイミングはどのタイミングでもいいんじゃないかと思います。少し客観的に誰かに話すと楽になることもあるので。
病院に関しては、体の不調があるときが考えるポイントだと思います。
眠れない、食べられない、吐き気がする。それから、叫んでしまう、暴力的になってしまうなど、自傷他害といいますが、自分を傷つけたり、人に強い攻撃性が向いたりするときは、医療機関につながる一つのきっかけかなと思います。
特に早めに医療機関や専門機関につながってほしい、というタイミングはありますか?
ここ2、3年で比較的多いのは、子どもが「病院に行きたい」と言ったときです。子どもが病院に行きたいと言ったときに、親御さんが「病院なんか行かなくていい」と止めることが、比較的あるんですね。
本人が病院に行きたいと言ったら、大人から見て必要があるかないかではなく、まず病院に行くことがすごく大事だと思います。
| 相談先 | 髙橋先生が挙げた目安 |
|---|---|
| カウンセリング(スクールカウンセラー、オンラインなど) | どのタイミングでもいい。客観的に誰かに話すと楽になることがある |
| 医療機関 | 眠れない・食べられない・吐き気など体の不調があるとき/叫ぶ・暴力的になるなど自傷他害があるとき |
| 医療機関(早めに) | 子ども本人が「病院に行きたい」と言ったとき。必要かどうかを大人が判断する前に、まず連れて行く |
不登校の子の親御さんへ、髙橋先生からのメッセージ
最後に、「このままずっと学校に行けなかったらどうしよう」「将来どうなってしまうんだろう」と不安でいっぱいの親御さんへ、髙橋先生にメッセージをいただきました。
まず、不登校は失敗じゃない、つまずきじゃない、ということがあります。
困ったことがあったときに、学校に行かないという対処行動を取れたのは、その子の力だと思います。大きくはお祝いできないとしても、親御さんには「自分の意思を行動にすることができる子なんだな」と、私としては喜んでほしい、というのが勝手な思いとしてあります。
生きていく中で、うまくいかないことやつまずくことは、あるのが当たり前で、自然なことです。それを、子どものうちは親が共有することができます。だから、親がサポートしたり、どうやったらうまくいくかを直接手伝ったりできる。子どもが大人になったら、もう親は手を出せないこともあるし、子どもが何を嫌なのかもわからなくなってきます。
そういう意味では、一緒に生活する中で、この子は何が苦しくて、何にエネルギーを使うのかを知ることができた。それは、人生の中ですごく大事な情報を共有できたということです。そういうときに親がどう守るか、どう助けるかを体験できれば、将来子どもが大人になったときに、「こういうときは誰かに助けてもらおう」と、自分が困ったときのやり方を学べる一つのきっかけになると思います。
少しずれているかもしれませんけど、一度も学校に行きたくないと思わなかった人のほうが、私は心配です。嫌だな、大変だな、きついな、というのをキャッチして、じゃあどうしていったらいいんだろうと考える。それは、とっても人間らしいことなんじゃないかなという気がします。
不登校は良くないもの、という見方が世の中ではまだまだ強いので、こういった視点を持てると、気持ちが楽になると思います。

子どもが不登校になった直後は、親も不安と焦りでいっぱいになります。でも、最初から正解を出さなくて大丈夫です。「行きたくない」を受け止めて、安心して休める毎日を作る。お子さんの元気が戻ってくるのを待ちながら、何が苦しくて、何をしたいのかを、一緒に少しずつ見つけていきましょう。
この記事でお話を伺った先生に、
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髙橋 紀子先生
公認心理師・臨床心理士
学校に行けない日々を、一緒に考えます
不登校の悩み、
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•••こんな相談に回答しています
「小学1年生が入学早々に行き渋り。毎朝泣く息子を無理にでも連れて行くべきですか」
空閑由先生 の回答
ご質問ありがとうございます。 ゲームを取り上げるべきか、そのままにしておくべきか、迷われるお気持ち、とてもよく分かります…
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