
不登校の初期、学校との連絡はどうする? 担任の電話・家庭訪問との距離感を公認心理師が解説
公開 不登校ミーツ編集部
この記事の要点
- 学校とは連絡を取り合ったほうがいい。ただし頻度や方法は、保護者の負担にならない程度に。やりとりしてみて「これはきつい」「もっとこうしてほしい」と感じた自分の感覚を大切にする(公認心理師・髙橋紀子先生)。
- 電話がつらいときは、留守番電話にして折り返す、「何曜日のこの時間なら受けられます」と仕事のアポ取りのように日時を決める、などの方法がある。
- 学校からの連絡や家庭訪問は、子どもに「奇襲攻撃」をしない。事前に伝え、強すぎる拒否があればやめる。0か100かにせず、少しやってみて本人の気持ちを聞く。
- 元気が戻って「これは平気」「これは嫌」が具体的になってきたら、学校と配慮について話し合いやすくなる。
子どもが学校を休むようになると、担任の先生から電話がかかってきたり、「プリントを届けたい」「本人と少し話したい」と言われたりします。
ありがたい反面、電話が鳴るたびにドキッとする。子どもに伝えていいのかもわからない──不登校になったばかりのころ、学校との距離感に悩む親御さんは少なくありません。
今回は、スクールカウンセラーとしての経験もある公認心理師の髙橋紀子先生に、不登校の初期の、学校との連絡の取り方と距離感を伺いました。

不登校になった直後、学校とはどのくらい連絡を取ればいい?
髙橋先生の答えは、「連絡は取り合ったほうがいい。ただし頻度や方法は、保護者の負担にならない程度に」というものでした。
担任の先生から電話が来たり、本人と少し話したいと言われたり、いろいろなことがあると思います。不登校になった直後、学校とはどれくらいの距離感で関わるのがいいのでしょうか。
これは、保護者の方のお仕事や、コミュニケーションの心地よさの違いもあると思います。
イメージとしては、連絡は取り合ったほうがいいけれど、その頻度や方法は、保護者の負担にならない程度、というところが大事なのではないかと思います。
具体的には、電話でこういう連絡が来ると結構きつい、とか。学校からの関わりがあって初めて、「これは嫌だな」「もっとこうしてほしいな」というのがわかってくると思うので、その感覚を大切にしていくといいんじゃないかなと思います。
学校からの電話がつらいときは、どうすればいい?
「今は学校とあまり話したくない」と感じたとき、それをどう伝えればいいのか。髙橋先生は、具体的な方法を2つ挙げてくれました。
自分の感覚を大切にした結果、「今は学校とあまり話したくないな」と親自身が気づいた場合は、どんなふうに伝えていけばいいのでしょうか。
いろんなやり方があって、必ずこれをしてください、というわけではないんですけど、結構お勧めしているのが、いったん電話は留守番電話の設定にすることです。
いいですね。
「出られないこともあるので、そのときは留守番電話に入れておいてください」としておいて、いつ鳴るかわからないドキドキをなくすのも一つかなと思います。
あるいは、「毎日じゃなくてもいいので」とは言いにくい場合には、「何曜日のこの時間は電話を受けられるので、そのときに先生のご都合はいかがですか」という感じで、仕事でのミーティングのアポ取りと少し似た形で、日時をある程度決めておくのも方法としてあると思います。
| 方法 | どんなときに | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 留守番電話にして、折り返す | いつ電話が鳴るかとドキドキしてしまう | 「出られないこともあるので、留守番電話に入れておいてください」 |
| 連絡の日時を決める | 毎日の連絡が負担だが、それを言いにくい | 「何曜日のこの時間は電話を受けられるので、そのときに先生のご都合はいかがですか」 |

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学校からの連絡や家庭訪問、子どもにどこまで伝える?
学校からの連絡を子どもに伝えると、負担になるのでは──。この心配について、髙橋先生は「一度少しやってみて、子どもがどんな気持ちになるかを聞く」ことを勧めています。
お子さんに、学校からの連絡をどれくらい伝えていいのか。今はあまり伝えないほうがいいんじゃないか、という心配もあると思います。どう判断したらいいでしょうか。
これは、いったん少しやってみて、子どもがどんな気持ちになるかを、お子さんに聞くのがいいと思います。
子どもに、奇襲攻撃はしない。たとえば先生が急に来る、となると、家にいることも心配になってしまうと思うので、「何日に先生が来るって言ってるよ」と事前に伝えておいて、その段階であまりに強すぎる拒否があったら、それはしない、ということでもいいと思います。
大人もそうですけど、子どもはなおさら、自分が何をされたら嫌なのかが、実際やってみないとわからなかったり、全部が嫌だったりすることもあります。少し体験してみることで、意外と平気だな、と見えてくることもあります。
0か100かにしないほうがいいんです。
親がこうしたほうがいいと決めていくより、正解は本人にしかわからないから、少しずつやってみて反応を聞いてみる。そういう進め方でいいんですね。
子どもの「これは平気」「これは嫌」がわかってくるのはいつ?
本人に聞いても、最初は答えられないこともあります。髙橋先生は、それを体調が悪いときの食事にたとえて説明してくれました。
大人もそうなんですけど、疲れているときって、何を食べたらいいかを考えること自体が負担になりますよね。でも元気になると、「今日はお魚がいいな」「今日はお肉はやめておこう」と、感覚が戻ってくる。
不登校の場合の関わりも同じで、ある程度元気になってくると、「これはいいよ」「これはこういう形だったら嫌だけど」と、本人の感覚がわかってくるので、答えやすくなります。
本当にしんどいときは、私たちが体調の悪いときに、あれこれ「ちょっとでも食べなさい」と言われるのが嫌なのと一緒で、あまりあれこれしないほうがいいと思います。

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髙橋 紀子先生
公認心理師・臨床心理士
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学校に配慮をお願いしたいときは、どうすればいい?
本人の「これは平気」「これは嫌」が具体的になってくると、学校との話し合いもしやすくなります。
「音楽の時間にみんなの前で歌うのが嫌」など、本人の嫌なことがそこまで具体的になれば、学校の先生とコミュニケーションをとって、配慮してもらえるところ、場合によっては合理的配慮を求めていいところかどうかも話し合えて、本人にとって安心できる環境を作りやすくなると思います。
髙橋先生は、学校との「交渉役」を親が引き受けることの大切さも話しています。たとえば、学校には行きたくないけれど部活には行きたい、という子のケースです。
子どもは、「授業を受けていないのに、部活だけ出てはいけないんじゃないか」と思っていることもあります。それがOKかどうかを学校とちょっと確認して、本人が行きやすいきっかけを作るのもいいと思います。
必要なときは背中を押すし、交渉を大人が代わりにしたり、守ってあげたりすることが大事なんじゃないかなと思います。
不登校の子の親御さんへ、髙橋先生からのメッセージ
最後に、学校との関わりに悩みながらお子さんを支えている親御さんへ、髙橋先生のメッセージです。
生きていく中で、うまくいかないことやつまずくことは、あるのが当たり前で、自然なことです。それを、子どものうちは親が共有することができます。だから、親がサポートしたり、どうやったらうまくいくかを直接手伝ったりできるんです。
そういうときに親がどう守るか、どう助けるかを体験できれば、将来子どもが大人になったときに、「こういうときは誰かに助けてもらおう」と、自分が困ったときのやり方を学べる一つのきっかけになると思います。

学校との連絡は、親にとっても負担の大きいものです。親が無理をしすぎず続けられる形を学校と相談しながら、お子さんにとっての「ちょうどいい距離」を、少しずつ探していきましょう。
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