
不登校の親がしんどい・疲れた時は?心の保ち方を公認心理師が解説
公開
お話を伺った専門家:はやし ゆか先生(公認心理師)
取材・構成:不登校ミーツ編集部
この記事の要点
- 真面目な親ほど、心配で子どもから片時も離れられず、心も体もくたくたになりやすい。子どもには子どものテリトリー、自分には自分のテリトリーがあると、少し線を引いてみる(公認心理師・はやし ゆか先生)。
- イライラして子どもに当たる、わけもなく涙が出るのは、黄色信号どころか赤信号かもしれない。眠れない、食事が味気ない、何をしても楽しくないが続くなら、頑張りすぎのサイン。
- 食欲や睡眠の変化、理由のない涙、家事や仕事がいつものようにできない、消えてしまいたいと思う──こうした状態が2週間ほど続くなら、早めに専門機関へ。
- 子どもが相談に行かなくても、親だけでカウンセリングを受けていい。親の声かけが変わって子どもが変わった例も多い。話す・頼る・休むは逃げではない。
朝、起きてこない子どもの部屋の前で、ため息をつく。学校からの電話に身構える。夜になっても、先のことを考えて眠れない。
不登校の子を支える毎日は、終わりが見えないぶん、親の心と体を少しずつすり減らしていきます。「親なんだから、しっかりしなきゃ」と思うほど、しんどさは誰にも言えなくなります。
今回は、児童相談所などで約20年、子どもと家族の相談に携わってきた公認心理師のはやし ゆか先生に、不登校の子の親がしんどい・疲れたと感じたときの、心の保ち方を伺いました。

不登校の子を支えていて疲れたとき、親はどう心を保てばいい?
はやし先生がまず挙げたのは、子どもとの間に「境界線」を引くことでした。
今回は、子どもではなく、親御さん自身の心のケアについて伺いたいと思います。不登校の子どもを支える毎日の中で、疲れた、しんどいと感じてしまうとき、親御さんはどうやって心を保てばいいのでしょうか。
今までお会いした親御さんは、とても真面目な方が多くて、心配で片時も子どもから離れたくないと思われる方も多かったと思います。でも、そうやってずっと気を張っていると、心も体もくたくたになってしまいます。
ずっと家にいる子どもの様子が常に目に入る状態だと、「自分がなんとかしなくちゃ」という気持ちが強くなって焦ってしまい、子どもの問題と自分の生活の境界線があいまいになりやすいと思います。
毎日同じところで生活しているので難しいと思いますが、子どもには子どものテリトリーがある、自分には自分のテリトリーがあると、少し線を引いてみるのも大事かもしれません。親御さんが落ち着くことが、家の中の安心感にもつながると思います。
同じ家で暮らしながら境界線を引くには、どうすればいいのでしょうか。
子どものことが気になりすぎると、親御さんもしんどいと思いますが、子どものほうも、いつも見られていることで気を張って疲れてしまう。お互いに疲れてしまうということもあると思います。
すべてが目に入って気になるかもしれませんが、「これは子どもが自分のペースでやっていいことだから、目をつぶろう」と考えてみる。
それから、自分の生活を我慢してばかりいると、「私の生活を全部この子のために変えなきゃいけない」と思ってしまうこともあるかもしれません。「これは楽しみたいから、ちょっと出かけてくるね」という感じで、お互いに大事なものを守る。その境界線が大事なのかなと思います。そうすることで、お互いにほどよい、心地よい距離感と安心感が生まれるのかなと思います。
子どもとずっと一緒で息が詰まるときの距離のとり方は、不登校の子にイライラしてしまう時は?で詳しく伺っています。
親の心のケアが必要なサインは?
自分では「まだ大丈夫」と思っていても、心はすでに悲鳴をあげていることがあります。
「こんなときは黄色信号だよ、そろそろ心のケアをしないと危ないよ」という、心のケアが必要なサインはありますか。
イライラして子どもに当たってしまう、わけもなく涙が出てしまう、というのは、黄色信号というより、もしかしたら赤信号かもしれません。
ほかにも、眠れない、食事はできるけど味気ない、食べすぎてしまう、食事ができない、何をしても楽しくない、ということが続く場合には、頑張りすぎているサインかなと思います。
「まだ大丈夫」と思わずに、少し休んだり、誰か話せる方に話したりしていただきたいなと思います。
| サイン | はやし先生の見立て |
|---|---|
| イライラして子どもに当たる/わけもなく涙が出る | 黄色信号どころか、赤信号かもしれない |
| 眠れない/食事が味気ない・食べすぎる・食べられない/何をしても楽しくない | 続くなら頑張りすぎのサイン |

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はやしゆか先生 の回答
お母さん、毎日涙が出るほど悩みながら、息子さんの心を一番に考えようと決められたこと、まずそのことが尊敬に値します。 長く…
親自身が病院や専門機関に相談する目安は?
眠れない、涙が止まらない。親自身がうつっぽくなってしまうこともあります。はやし先生は、具体的な目安を教えてくれました。
食欲がない、逆にすごく食べてしまう、という変化は、ひとつの目安としてわかりやすいと思います。
ほかにも、眠れない、逆に朝になってもずっと寝すぎてしまう、理由もなく涙が出る、感情がなかなか動かない、ということもあるかもしれません。今までできていた家事や仕事が、いつものようにできないのも目安になりますし、「もうこのまま消えてしまいたい」という考えが頭に浮かぶのも目安になると思います。
こうした状態が2週間ほど続くようなら、早めに専門機関に相談したほうがいいと思います。「このぐらいで相談していいのかな」とためらう必要は、まったくないと思います。
「消えてしまいたい」という気持ちが強いとき、今すぐ誰かと話したいときは、ひとりで抱えずに、医療機関や公的な相談窓口に連絡してください。
子どもが行かなくても、親だけで相談していい?
「不登校は子どもの悩みなのに、親だけでカウンセリングに行っていいのだろうか」とためらう方もいます。はやし先生の答えは、はっきりしていました。
もちろん大丈夫です。親御さんのメンタルヘルスのケアは、非常に大事です。
子どもが相談に行かなくても、親御さんだけで受けることはできますし、親御さんの声かけを少し変えたら、子どもも変わってきたという事例も、今まで多く見させていただきました。
「子どものため」だけで考えて、「子どもが行かないから自分も行けない」と考えるのではなく、ご自分のケアのために、ぜひ利用していただきたいと思います。
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はやし ゆか先生
公認心理師
「どうしたらいい?」からで大丈夫です
不登校の子の親御さんへ、はやし先生からのメッセージ
最後に、いまひとりで頑張りすぎて、限界を感じている親御さんへ、はやし先生にメッセージをいただきました。
ここまで、本当によく頑張ってこられたと思います。不登校は決して、親御さんのせいではありません。
子どもが休んでいる時間は、止まっているように見えるかもしれません。でも、次に進むエネルギーをためている大事な時期だと考えられるといいと思います。そのときは、親御さんも頑張りすぎるのではなく、一緒に休む時間もとっていただけたらと思います。
子どものためにも、まずはご自身を大事にケアしていただきたいです。誰かに話す、頼れる人に頼る、休む。これは逃げではなく、子どもをサポートしていくのに必要なことだと思います。頼れるところには、どんどん頼っていただきたいなと思います。

子どもを大切に思う親ほど、自分のことは後回しにしがちです。でも、親が倒れてしまっては、子どもを支えることもできません。しんどいと感じたら、それは頑張ってきた証拠。話す、頼る、休む──この3つを、今日から少しずつ自分に許してあげてください。
よくある質問
- Q. 不登校の親が「もう限界」と感じるサインは?
- A. はやし先生は、イライラして子どもに当たってしまう、わけもなく涙が出るといった状態は、黄色信号どころか赤信号かもしれないと話しています。ほかにも、眠れない、食事が味気ない・食べすぎる・食べられない、何をしても楽しくない、が続く場合は、頑張りすぎているサインだそうです。
- Q. 不登校の親自身が、病院や専門機関に相談する目安は?
- A. 食欲の変化(食べられない・食べすぎる)、眠れない・寝すぎる、理由もなく涙が出る、感情が動かない、いつもの家事や仕事ができない、消えてしまいたいという考えが浮かぶ、といった状態が2週間ほど続くなら、早めに専門機関に相談したほうがよいと、はやし先生は話しています。ためらう必要はないそうです。
- Q. 子どもが行かなくても、親だけでカウンセリングを受けていい?
- A. もちろん大丈夫だと、はやし先生は話しています。親のメンタルヘルスのケアは非常に大事で、親の声かけが少し変わったことで子どもも変わってきた例を多く見てきたそうです。子どものためだけでなく、自分のケアのためにも利用してほしいとのことです。
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公認心理師
「どうしたらいい?」からで大丈夫です
不登校の悩み、
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はやしゆか先生 の回答
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