
子どもの発達が気になったら相談先はどこ? 学校・病院・自治体の使い分けと相談のしかたを公認心理師が解説【発達特性と不登校】
公開 不登校ミーツ編集部
この記事の要点
- 最初の相談先は、子どもにとって一番身近な大人である学校の先生。学校の中では、スクールカウンセラーや保健室の先生(養護教諭)にも相談できる(公認心理師・山岸佳織先生)。
- 学校の外なら、小児科の発達外来や児童精神科。病院のハードルが高いときは、市区町村の発達相談で、医療につなぐべきか、近くに通える病院があるかも相談できる。
- 相談では「発達障害かどうか」の結論を聞きに行くより、子どもが何にどう困っていて、家族がどう感じているかを具体的に伝えるほうが、支援までスムーズ。
- 子どもが行けないときは、親だけで相談してよい。家庭で限界まで頑張ってからではなく、「今困っている」段階で相談したほうが、つらい時間が減る。
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「うちの子の発達、ちょっと気になる。でも、どこに相談すればいいんだろう」
学校に行けない日が続き、もしかしたら発達の特性が関係しているのかもしれない、と感じ始めたとき。担任の先生に話すべきか、病院に行くべきか、そもそも何を話せばいいのか。迷っているうちに、時間ばかりが過ぎてしまうこともあります。
今回は、公認心理師の山岸佳織先生に、発達特性のあるお子さんの不登校を前提に、子どもの発達が気になったときの相談先と、相談のしかたを伺いました。

子どもの発達が気になったら、どこに相談する?
山岸先生によると、最初の相談先は学校の先生です。お子さんにとって一番身近な大人だからです。そのうえで、学校の中ならスクールカウンセラーや保健室の先生、学校の外なら小児科の発達外来や児童精神科、病院のハードルが高いときは自治体の発達相談、という順番が目安になります。
- 担任の先生(お子さんにとって一番身近な大人)
- スクールカウンセラー・保健室の先生(養護教諭)
- 小児科の発達外来・児童精神科
- 市区町村(自治体)の発達相談(病院のハードルが高いとき、どこに行けばいいかわからないとき)
うちの子の特性がちょっと気になる、どうしたらいいのかな、と思ったとき、どこに相談したらいいんでしょうか。
お住まいの自治体や、お子さんの年齢によっても変わってくるところはあると思うんですが、学校の先生が、お子さんにとって一番身近な、家族以外の大人かなと思うので、そこが最初の相談先として挙げられると思います。
学校というリソースの中で言えば、スクールカウンセラー。スクールカウンセラーが非常勤の学校も結構あると思うので、そういう学校の場合は、養護教諭、保健の先生ですね。保健の先生は、体のことだけでなく、心のケアもしていく専門家と位置づけられている先生なので、スクールカウンセラーや保健の先生も相談先としていいと思います。
それから、学校以外のリソースということであれば、病院ですね。小児科や、発達外来がある児童精神科、小児科の中でも発達外来を掲げていらっしゃる先生なんかは、詳しく相談に乗ってくださると思います。
でも、病院と言われても、なかなかハードルが高いな、どんな病院があるんだろう、という場合もありますよね。そういうときは、市役所などの自治体の窓口で「発達の相談」という形で相談すると、相談を受ける専門の方がいらっしゃいます。
その方に、医療につないだほうがいいのか、どういう病院がいいのか、近くに通える病院があるか、そういうことも相談できると思います。
| 相談先 | どんな相談先か | こんなときに |
|---|---|---|
| 担任の先生 | お子さんにとって一番身近な、家族以外の大人 | まず学校での様子を知りたい・共有したいとき |
| スクールカウンセラー | 学校にいる心の専門家(非常勤のことも多い) | 気持ちの面や、家庭での関わり方も相談したいとき |
| 保健室の先生(養護教諭) | 体だけでなく心のケアもする先生 | スクールカウンセラーが来る日が少ないとき |
| 小児科の発達外来・児童精神科 | 発達について詳しく相談できる医療機関 | 医療的な見立てや、検査・診断も含めて相談したいとき |
| 自治体の発達相談 | 市区町村の相談窓口。相談を受ける専門の職員がいる | 病院のハードルが高い、どこに行けばいいかわからないとき |
自治体の窓口の名前(子育て支援課、保健センター、子ども家庭センターなど)は地域によって違います。わからなければ、市区町村の代表窓口で「子どもの発達のことで相談したい」と伝えると案内してもらえます。また、医療機関の発達外来は、地域によっては予約が取りにくいこともあるので、早めに問い合わせておくと安心です。

不登校のとき、学校にはどう相談すればいい?
不登校の子の多くは、学校に行けなくなる前に、すでに何かの大変さを抱えています。山岸先生は、学校には「その前の大変さを、どう調整したらいいか」を相談するといい、と話します。また、学校に相談するかどうかも含めて、まず本人と話せる関係をつくることが一番だそうです。
不登校のとき、学校への相談の仕方で、何かポイントがあれば教えていただけますか?
学校への戻り方は、多くの親御さんが相談されるところだと思います。学校に今行けないのは、ほとんどの場合、その前の大変さの結果として行けなくなっている、ということなんです。なので、その前の大変さの部分をどう調整したらいいかを、学校と相談されるといいと思います。
たとえば、黒板が見えなくて授業についていけず、勉強がつらくなってしまったのなら、黒板の見える位置に席替えをしてもらえないか。書き写すスピードについていけないのなら、タブレットで撮ってもいいか。そういう配慮をお願いすることになると思います。
学校に戻ったときに、その子がそれまでの苦しさをもう一回繰り返さなくて済むにはどうしたらいいか。そこを意識して、学校と相談していただけるといいと思います。
学校に行くかどうかも、学校に相談するかどうかも含めて、まずは本人に、今何がしんどいのか、どんなふうになったら学校に行きたいと思えるのか、行きたいとまで思えなかったとしても、どうしたら苦痛ではないのか、といったことを聞いてみる。まず親御さんとお子さんがそういう話をできる関係になるのが一番かなと思います。
そのうえで、「学校に配慮を求めることもできるけど、どうする?」「先生と話してみることもできるけど、どうする?」というふうに、本人と一緒に考えていけるといいと思います。
学校にお願いできる配慮(合理的配慮)については、別の記事で詳しく伺っています(ページ下の「あわせて読みたい」から読めます)。
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相談するときは、何を伝えればいい?
山岸先生のおすすめは、「発達障害かもしれない」という結論を聞きに行くのではなく、お子さんが何にどう困っているのか、それによって家族がどう感じているのかを、具体的に順番に伝えることです。長くなっても構いません。
相談先をたくさん教えていただきましたが、相談するときは、具体的にどういった切り口で話すといいでしょうか。
まず、お子さんが発達障害かもしれない、というような結論を聞きに行く感覚よりも、今お子さんが何にどういうふうに困っているのか、それによってご家族はどう感じているのか。その具体的なところを一つひとつ順番に伝えていただくのがいいと思います。長くなりすぎじゃないかな、と思うくらいでも構いません。
これも、ラベルから入るのではなく、具体的な悩みごとを伝えていくのが大事なんですね。
そうですね。ラベルから入られると、特にお医者さん、学校の先生もそうかもしれないですけど、まずそのラベルと、その子がどこがどうずれているのかを確認する作業が一手間入るんです。
何に困っているから、結果的にこのラベルがつく、つかない、という話であれば、支援までもスムーズだと思うんですけど、先に結論ベースで話をしてしまうと、お子さんのより具体的な特徴が、かえって見えにくくなるケースもたくさんあるので、具体的なところから相談していくのがいいと思います。

山岸先生のお話をもとに、相談の前にメモしておくと伝えやすいことをまとめました。
最後の「家族がどう感じているか」も、山岸先生が挙げた大切なポイントです。親御さん自身のしんどさも、遠慮せずに伝えてみてください。
この記事でお話を伺った先生に、
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山岸 佳織先生
公認心理師・精神保健福祉士・臨床発達心理士
親子の「今」を大切に、一緒に考えます
子どもが行けない・嫌がるときは? 親だけで相談してもいい?
親だけで相談して大丈夫です。山岸先生は、お子さん本人が行けないときは、まず親御さんだけで相談に行き、相談先と信頼関係を結べそうだと思えたら、そこからお子さんを誘う方法もある、と話します。
お子さん本人が行けないときには、親御さんだけで相談に行くのもありだと思います。
親御さんがたとえば病院に行ってみて、この先生となら信頼関係を結べそうだなとなったときに、「先生が、あなたにも会いたいって言ってたよ。一緒に来てくれない?」というような入り方もありだと思います。
お子さんが誰とも関わりたくない時期でも、親が相談先とつながっておくことには意味があります。山岸先生は、別の場面でこう話していました。
本人が今は関われないかもしれないけれど、本人のことを知っている人が、たとえば学校の先生にいたり、地域の相談員さんが知っていてくれたりする。本人は今関われなくても、本人のことを知っている人がいて、本人にとって選択肢が残っている状態を保ってもらえるといいなと思います。
発達検査をすすめられたときの、お子さんへの伝え方は「発達検査は受けるべき?」の記事で詳しく伺っています。
いつ相談すればいい? もう少し様子を見るべき?
山岸先生の答えは、「家でもっと頑張って、どうにもならなくなってから相談するのではなく、『今困っている』という段階で相談してほしい」。そのほうが、お子さんにとっても親御さんにとっても、つらい時間が減るからです。
どの段階で相談するかについては、もっと家で頑張って、どうにもならなくなってから相談する、というのではなくて、今困っている、という状態で相談していただくほうが、つらい時間が減るので、そのほうがいいと思っています。
保護者の方がお一人で抱え込んでしまうのではなく、支援者と一緒に対応を考えていってもらいたいなと思っています。
不登校の子への登校の働きかけのタイミングについても、山岸先生は「お子さんによっても、学校の雰囲気によっても変わってくるので、そういうあたりは遠慮なく相談していただけるといい」と話していました。
特に、次のようなときは、医療機関も含めて早めに相談することを考えてみてください。
- 睡眠や食事などの生活が大きく崩れている
- 家で落ち着かせようとしても、かんしゃくなどがいつまでも止まらない
- ゲームなど、本人が止めようと思っても止められない状態が続いている
かんしゃくがあまりにもひどかったり、睡眠や食事まで崩れてしまったりして困っているなと思ったら、医療も含めて相談していくのは大事な視点だと思います。止めようと思っても止められない状態が続くようであれば、迷わずに医療機関も含めて相談していただけるといいかなと思っています。
不登校の子の親御さんへ、山岸先生からのメッセージ
最後に、相談することをためらっている親御さんへ、山岸先生の言葉を紹介します。
困りごとを抱えているお子さんの親御さんは、とってもとっても大変だと思います。それを相談することにハードルがある、というお気持ちも、とてもとても理解できます。
でも、どこまで家庭で頑張るか、どこから相談するか、ということさえも、ご家族だけで決めなくていい。一人で決めないほうがいいことだと思います。
抱え込まずに、親御さん自身が相談している姿勢を見せることで、お子さんも「相談してもいいんだ」と感じられるきっかけになることもあります。お子さんに「ちょっと話してごらん」と言うだけでなく、ぜひ、親御さんが相談する姿も見せてあげてほしいなと思います。

相談先は、「答え」をもらう場所というより、お子さんの困りごとを一緒に整理してくれる場所です。うまく話せなくても、メモを見ながらでも大丈夫。「今、困っている」と感じたときが、相談していいタイミングです。
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山岸 佳織先生
公認心理師・精神保健福祉士・臨床発達心理士
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