
不登校の勉強の遅れ、取り戻すには?最初にすることを公認心理師が解説
公開
お話を伺った専門家:はやし ゆか先生(公認心理師)
取材・構成:不登校ミーツ編集部
この記事の要点
- 勉強の遅れが心配なら、まず子どもの能力のアセスメントを外部機関に。学年相応の勉強についていける力があるかを最初に確かめる(公認心理師・はやし ゆか先生)。
- 学習障害や全体的な遅れがある子に「頑張れ」と言い続けると、勉強すべてが嫌いになりかねない。その子に合った学び方・教え方を見つけるためにも、アセスメントは有効。
- 能力的に問題がなければ、勉強は不登校の回復の中で一番最後に整ってくるもの。エネルギーが満たされ、高校に行きたいなどの目標が見つかると、自分から取り組み始める。
- 長引くほど「勉強より大事なものがある」と気づく親は多い。親が落ち着いて対応していると、子どもが自分で逆算して勉強を始めることもある。
学校を休んでいる間に、授業はどんどん進んでいく。このまま勉強が遅れたら、ますます学校に戻りにくくなるのでは──。
不登校が長引くほど、勉強の遅れは親にとって大きな心配ごとになります。「せめて家で勉強だけでも」と思うのは、自然なことです。
今回は、公認心理師のはやし ゆか先生に、不登校中の勉強の遅れが心配なとき、親が最初にすることを伺いました。

不登校中の勉強の遅れ、親はまず何をする?
はやし先生が最初に挙げたのは、「子どもの力を、外部機関できちんとアセスメントすること」でした。
長く学校を休んでいると、勉強の遅れが心配という親御さんも多いと思います。勉強の遅れが大きくて学校に戻れないのでは、と思うとき、親は子どもの学習をどうサポートしたらいいでしょうか。
まず、勉強というのは、子どもの本当の能力にとても影響されるところだと思うので、子どものアセスメントは、しっかり外部機関にお願いしたほうがいいと思います。
今はいろいろな機関で検査を受けられるので、まず、能力的に学年相応の勉強についていけるのかを、一番最初に確かめたほうがいいかなと思います。
アセスメントというのは、発達検査や知能検査のようなものですか。
そうですね。勉強の遅れといっても、学習障害があるのか、全体的に遅れているのか、といったことも非常に影響すると思います。
頑張っても勉強ができない子に「頑張れ、頑張れ」と言っても、よけいに勉強すべてが嫌いになってしまっては、元も子もないと思います。まずは、子どもの能力に合わせた勉強の仕方や教え方を、きちんとその子に合ったものにするために、アセスメントは非常に有効だと思います。
検査を受けるかどうか迷っている方は、発達検査は受けるべき?で、種類や子どもへの伝え方を詳しく伺っています。

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不登校の子が勉強に向かうのは、いつ?
アセスメントで能力的に問題がないとわかった場合。はやし先生は、「勉強は、不登校の中でも一番最後に整ってくるもの」だと話します。
能力的に問題ないということであれば、勉強というのは一般的に、不登校の中でも一番最後に整ってくるところかなと思います。
本人のエネルギーが満たされて、目標が見つかって、たとえば高校に行きたい、大学に行きたいという目標があれば、そちらに向けて勉強に取り組み始める、というふうに思います。
ただ、これは知的に問題がない場合の話です。能力的に学年相応の勉強に向かうのが難しい子の場合は、同じようには言えないので、やはり学習に臨む力がどこにあるかのアセスメントは、きちんと行われたほうがいいと思います。
| 子どもの状態 | はやし先生の話のポイント |
|---|---|
| 能力的に問題がない | 勉強は回復の最後に整う。エネルギーと目標がそろうと、自分から取り組み始める |
| 学習障害・全体的な遅れがある | 「頑張れ」より、その子に合った学び方・教え方を。そのためにアセスメントを |
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はやし ゆか先生
公認心理師
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勉強が遅れると、不登校は長引く?
多くの親御さんは、「勉強が遅れたら、そのまま不登校が長期化してしまう」と焦ります。はやし先生は、長く関わってきた立場から、逆の気づきを話してくれました。
勉強は最後に整ってくる、というお話が印象的でした。多くの親御さんは、勉強が遅れるとそのまま不登校が長期化してしまうから、遅れないようにしないと、と焦ってしまうと思うのですが、ここは逆の発想のほうがいいのでしょうか。
そうですね。最初は「なんとか勉強は」とおっしゃる親御さんが多いんですけど、不登校の期間が長くなってくると、勉強よりも大事なものがある、と気づかれる親御さんも多いのかなと思います。
親御さんがそうやって落ち着いて対応されていくと、子どものほうから「このままだとまずい」と、たとえば中学2年生なら「あと1年しかない」と、自分で逆算して勉強に取り組んでいくこともあるのかなと思います。
勉強より大事なものがある、というのは大きな気づきですね。
勉強は数字に出やすいですし、受験にも影響するので、大きいことはわかっています。
でも、子どもにとっては、やはりモチベーションややる気がないと、なかなかそこに向かえないと思います。子どものエネルギーをどう満たしていくか、やる気をどう高めていくか。それが、勉強にも、勉強以外の活動にも影響を与えて、良い方向に向かっていくことが多いのかなと思います。
不登校の子の親御さんへ、はやし先生からのメッセージ
最後に、不登校が長引いて先が見えず、不安になっている親御さんへ、はやし先生のメッセージです。
不登校の期間が長引いて、長いトンネルの中にいるようだと感じる方は、とても多いと思います。でも、そのトンネルは必ずいつか抜けます。
後から振り返って、「あのときはそう思っていたけど、そのとき頑張ってきたからうまくいった」と話してくださる親御さんも、たくさんいらっしゃいます。今が最悪だと思っても、それがずっと続くわけではない。そのことを心に留めておいていただきたいなと思います。

勉強の遅れは目に見えるぶん、親の焦りにつながりやすいものです。でも、はやし先生の話から見えてくるのは、「まず子どもの力を知る」「エネルギーが戻るのを待つ」という順番の大切さです。遅れを取り戻すのは、子どもが自分の目標を見つけてからでも遅くありません。
よくある質問
- Q. 不登校中の勉強の遅れ、何から始めればいい?
- A. はやし先生は、まず子どもの能力のアセスメントを外部機関にお願いすることを勧めています。学年相応の勉強についていける力があるかどうかで、勉強への向き合い方が大きく変わるためです。学習障害や全体的な遅れがある場合は、その子に合った学び方・教え方を見つけることが先になります。
- Q. 不登校の子は、いつごろ勉強に取り組み始める?
- A. 能力的に問題がない場合、勉強は不登校の回復の中で一般的に一番最後に整ってくるものだと、はやし先生は話しています。エネルギーが満たされ、高校に行きたい・大学に行きたいといった目標が見つかると、そこに向けて取り組み始めることが多いそうです。
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はやし ゆか先生
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