娘さんが不安を抱えながらも、受験に向けて一生懸命に頑張ってこられたのですね。実力テストに向けてがむしゃらに勉強した後、再び行き渋りが始まったとのこと。これまでの頑張りや、帰宅後に疲れ切っている様子を見てこられたからこそ、「もう限界なのではないか」「このまま頑張らせたら心が壊れてしまうのではないか」と心配されているのだと思います。
一方で、欠席日数や高校受験への影響を考えると、簡単に休ませる決断もできないですよね。
娘さんの心身を守りたい気持ちと、将来の選択肢を守りたい気持ち。その両方があるからこそ、悩まれているのだと思います。
今、まず大切にしていただきたいことを3つお伝えします。
①「受験まで頑張り続ける」か「受験を諦める」かの二択にしない
娘さんは、集団の中にいることや先生の威圧的な雰囲気に強い負担を感じているのですね。さらに、勉強の遅れや受験への恐怖心もあり、気持ちでは頑張りたいと思っていても、心や身体がついていかない状態なのかもしれません。
完璧主義のお子さんは、「休んだら遅れてしまう」「みんなと同じように頑張らなければ」と、自分を追い込んでしまうことがあります。つらくても無理をして登校することが、本人にとって当たり前になっている可能性もあります。
そのようなときには、登校できるかどうかだけでなく、登校することで心身にどのくらい負担がかかっているかにも目を向ける必要があります。
今は、受験を諦めるか、これまでどおり頑張り続けるかを急いで決めるのではなく、まずは娘さんの負担を減らす方法を考えてみてはいかがでしょうか。
例えば、別室登校や短時間の登校、登校する日を調整すること、家庭で学習することなど、学校と相談できる選択肢があるかもしれません。
もちろん、学校の制度や受験に関する条件によって、できることは異なります。だからこそ、今すぐ受験そのものを諦めると決めるのではなく、娘さんがこれ以上追い詰められずに済む方法と、進路の選択肢を両方探していくことが大切だと思います。
② 娘さんの「行けない」という気持ちを、頑張りが足りないという問題にしない
娘さんは、受験への不安を毎日のように口にしながらも、個別指導塾に通い、実力テストに向けて勉強してきたのですね。
行き渋りが再び始まったことだけを見ると、努力が続かなかったように感じるかもしれません。しかし、これまで頑張ってきたことと、今は頑張り続けることが難しいことは、矛盾しません。
人によっては、目標に向けて無理を重ねた後、緊張が続かなくなったり、疲れが一気に表面化したりすることがあります。娘さんも、これまでの負担が積み重なっている可能性があります。
また、推し活を楽しめる時間があることも、学校に行けるはずだという意味ではありません。安心できる活動を楽しむことと、集団生活や受験のプレッシャーに耐えることでは、必要なエネルギーが異なるからです。
娘さんが泣きながら「行けない」と訴えているときは、まず「そんなにしんどくなっていたんだね」「今までよく頑張ってきたね」と、本人が感じているつらさを受け止めてあげてください。
また、「HSP気質だから」と理由を一つに決めつけず、集団の刺激、先生との関係、学習の遅れ、受験への不安など、何がどの程度負担になっているのかを少しずつ整理できるとよいですね。
③ 心身の回復を優先しながら、学校や医療機関と具体的に相談する
欠席日数が受験に影響する可能性があるため、保護者の方が焦るお気持ちもよくわかります。
ただ、今の状態で無理を重ねた結果、さらに心身の調子を崩してしまうことも心配です。登校を続けることだけを優先せず、今の娘さんにどの程度の負担が適切なのかを、学校や医療機関と一緒に考えていくことをお勧めします。
学校のSCや小児科にはすでに相談されているとのことですが、今回は「受験生で、欠席日数がぎりぎりである一方、本人の疲弊が強く、無理をして登校している」という現在の状況を改めて具体的に伝えてみてください。
学校には、次のような点を確認してみるとよいでしょう。
・現在の欠席日数と、志望校の受験に必要な条件
・欠席や別室登校が、調査書や受験資格にどのように関係するか
・短時間登校や別室登校など、負担を減らす方法があるか
・家庭学習や課題提出など、登校以外の方法で対応できることがあるか
・今後の出欠や受験について、誰と継続的に相談できるか
受験への影響は、地域や学校、入試制度によって異なります。欠席日数だけで一律に判断できるとは限らないため、担任や進路担当の先生に、具体的な条件を確認することが大切です。
また、児童精神科の予約が取りにくい状況とのことですが、現在の小児科にも、涙が出るほどの不安や疲弊、登校への強い負担を改めて伝えてみてください。必要に応じて、予約の前倒しや他の相談先を紹介してもらえるか尋ねてもよいと思います。
もし、眠れない・食べられない状態が続く、日常生活が大きく崩れる、強い絶望感や自分を傷つけたい気持ちが見られるなど、心身の状態がさらに悪化している場合には、受診を待たずに医療機関へ相談してください。
娘さんは、全日制の高校に行きたい気持ちを持ちながらも、集団生活を考えると気が滅入ってしまうのですね。進学したい気持ちと、今の苦しさの両方を抱えているのだと思います。
今は、娘さんが将来の希望を持ち続けられるようにするためにも、目の前の負担を減らすことが必要なのかもしれません。
受験は大切な節目ですが、娘さんの心身の健康よりも優先しなければならないものではありません。そして、今休むことが、必ずしも受験や将来を諦めることにつながるわけでもありません。
まずは、娘さんが安心して休める時間を確保しながら、学校と受験の条件を確認し、今後の進め方を一緒に考えていくことから始めてみてはいかがでしょうか。
「頑張れるかどうか」だけでなく、「どうすれば無理を重ねずに過ごせるか」を大切にしてあげてください。娘さんが自分の限界を知り、必要なときには休んだり、周囲に助けを求めたりできることも、これからの長い人生を支える大切な力になると思います。